【9月20日 AFP】パリでレディースシューズのデザインを手がけるカナダ人、タニア・ヒースさん(42)が目指していたのは、女性が足を痛めずにはけるハイヒールを作ることだった。
カナダ外務省で外交政策を担当していた経歴を持ちながら、新たな生活を求めて1996年にパリに移ったヒースさんの「女性が楽にはけるハイヒール作り」
は、単純なアイデアから始まった。パーティーや結婚式、仕事の途中などでハイヒールをはいた足がつらくなってきたら、靴底のボタンを押すと、ヒールがはず
れて歩きやすいローヒールと取り換えられるというものだ。
自身を「フェミニンなフェミニスト」と評するヒースさん。自身の靴に対する彼女の哲学は「セクシーでありながら、女性に優しいデザイン」であることだ。
パリで開かれたファッションショーで取材に応じたヒースさんは、自身がデザインした靴について、「2時間の会議が終わったら、ハイヒールのヒールをはずしてリラックス。帰りの道のりがつらいなんてこともない」と説明する。
問題はヒールの高さが変わった時に、どうやって靴のバランスとはきやすさを維持するかだった。ヒースさんは3年間の試行錯誤の末、ヒールの高さを9センチから4センチに切り替えられるレザーシューズを開発。世界初のマルチヒールシューズとして特許も取得した。
サンダルからダンス用のシューズなどラインアップも豊富で、靴は全工程メード・イン・フランス。価格は250ユーロ(約2万5000円)から。
自身もハイヒールが大好きだというヒースさんは、「痛い思いをするのは、もうたくさん。でもバレエシューズみたいなぺたんこ靴ばかりはくのも、いやだったの」と笑いながら語った。
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